咲きかけの話

春美  2006-09-18投稿
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「和樹,私はあなたをわすれないよ」私は2年前の今日にそう誓った。-2年前の冬-もうすうぐ冬休み。その中で最も楽しみにしているイベント,それはX'mas。私(春美)は和樹が好きで,25日に告白しようと決めていた。和樹は馬鹿で鈍感だから,25日が何の日だかわかっていない(と思う)。私は和樹を誘った「25日空いてる??もしよければ一緒に遊ばない??」「え??いいよ!!でも,何で25日なの??」あちゃ-。やっぱりX'masの事忘れてるよ。ま,いっか。「25日しか空いてないの!」私はそう言い残し教室を出た。次の日,和樹は私を裏庭へ呼び出した。「何?」私は聞いた。「春美,一緒にこの花咲かせようよ!!」和樹は花の種を持っていた。そして,2人で種を植えた。花が綺麗に咲く頃には私達もうまく行ってるといいな。-でもその夢は叶わなくなる-X'masまで1週間前,和樹は学校で倒れた。それから入院する事になった。和樹はただの風邪って言うけど,本当はもっと重い病気なんだ…。私は毎日お見舞いへ行った。「春美,迷惑かけてごめんな25日までには元気になるから」そんなことないよ。好きな人のためなら迷惑なんかじゃないよ。「和樹!あのね,お花の芽がでたんだよ」「マジで?!じゃあ早く退院しなくちゃな」そんな楽しい会話が出来たのも今日まで。X'mas3日前,和樹の様態が悪化した。もう,外へは出られない。そして,私も病室に入る勇気を無くした。-25日X'mas-私は約束を守るため,病院へ行った。「失礼します」私は病室へ入った。そこには,ぐったりとした姿の和樹がいた。「和樹…大丈夫なの??」「…春美。俺,もう駄目みたい。今までありがとう」ピ-…心臓が止まった。「和樹…??はやく起きてよ。死なないでよ!!一緒に花を咲かせようって約束したじゃん!!」それでも目覚める事はなかった…。私は和樹の母から手紙を渡された。和樹からだ。「キーワードを探せ!学校の誰かの机の中に1枚紙が入っています。全部で6枚!!」何これ。とにかく探してみよ。…探してから1時間。5枚だけみつかった「あめ」「いか」「しか」「てつ」「るび-」何だかさっぱりわからない。最後の1枚どこだろ。もしかして,私の机の中!?…やっぱり!あった。「今までの頭文字をつなげてみてね」頭文字…??あ…い…し…て…る??「愛してる」私は涙が止まらなかった。私も愛しています。そして,夢は叶わず「咲きかけの花」となった。



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