ギャラクシーラリー108

フェイ 2012-06-08投稿
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「どうもありがとうございました。助かりました」

ペコリと頭を下げて優子は微笑んだ。

「いえいえ。困った時はお互い様ですよ。あれ、切らしてる時に急に始まっちゃうと大変ですよね」

美穂は優子を見て答える。
ああ、可愛い仕種だなぁ。ちっとも嫌味な感じのしない、女の子アピールって言うか…。私もこんな風になれたらなぁ。

「さっきの人って、彼氏なの? ちょっとイイよね」

優子が訊いてきた。口調がフランクになっている。

「えっ、い、いや、まだそんなんじゃないです」

「でも好きなんでしょ?」

優子が更に踏み込んで来た。とても可愛いらしく。

「う、うん。だけど彼、遼一さんは、結婚してるのよ。子どもさんもいるし」

「そんなの関係ないよぅ。大事なのは貴女の気持ちだよ。いっそのこと、奪っちゃったら?なんてね」

「ありがとう。何だか勇気が出てきたわ。彼の家庭を壊すつもりはないよ!でも、自分の気持ちは大事するね」

「うん。頑張ってね。えっと…」

「美穂です。神野 美穂」

「そう、美穂ちゃんね。さっきの、遼一さん?にカンちゃんって呼ばれてる?」
「は、はい」

「カンちゃんって、やっぱりレースの参加者なの?」
優子は美穂の胸に着いたバッチを見ていた。参加者に義務付けられた物だ。

「えっ、まさか、ゆーこりんも?」

「実は、そうなんだ」

優子は隠していたバッチを見せて言った。

「ねぇ、カンちゃん…。さっきのお礼に教えてあげるね。貴女のチームにもう一人女の子がいるでしょう?あの娘には気をつけて」
「吉原さん?どうして…」

「あの娘、遼一さんを狙ってるわよ。陰で遼一さんに貴女の悪口言ってた」

美穂は目の前が暗くなるのを感じた。



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