収容所は本土から20?ほど離れた無人島そのものだった。島の海岸沿いには全て柵が張られ、港は一つだけである。
今まで連れられた日本人兵士で島からの生還者は確認されていない。
日本軍の兵士達はその島にを通称『死の島』と呼んでいた。
「君は…日本の偵察部隊の幹部か…日本人は知的で頭が働く割には戦い方を知らない…」
収容所の所長室連れられ聴取を受けていた水原は、所長をにらみつけた。
「私はこの収容所の所長であるウェゲルだ。今回は日本の偵察部隊を捕虜にした事で非常にうれしいよ。君たちは大事な情報源だ。これから色々答えてもらうが…正直に答えてくれ。君たちが死を覚悟するのは、それからでも遅くないはないだろう。」
ウェゲルは笑みを浮かべて水原をにらみ返した。窓からは暗黒の闇の中で遠く光る本土が確認できた。
「オレはお前に一言も軍の情報を喋らず脱獄してやる!!!!」水原は叫んだ。
「ほぅ」ウェゲルは驚いた声を漏らすが、すぐに笑みを浮かべ隣のミゥエル兵士に指で合図した。その兵士は水原に近づき、徐に水原の腹部を殴打した。
「グオッ!!!」
「黙れ!!ここへ来た以上、君には死しかない。」ウェゲルはまた合図した。倒れた水原を兵士が連れていった。