【ドォン!!】
「ギッ‥‥!」
マウスが吹っ飛び、ぶつかった先は、廊下の突きあたりだった。
「うがああっ!!」
【ダンッ!】
龍一の追撃は、止まなかった。
【ガスッ!!!】
「ア‥‥!」
腹にめりこむ一撃の蹴り。壁を背にしたマウスには、逃げ場が無かった。
吹っ飛ばない‥‥いや、吹っ飛べない。
【ゴッ!!ドカッ!!ガキッ!!ガァン!!】
「ケ‥‥カ‥‥」
マウスの体の至る所、龍一との間に、何度も何度も何度も拳と蹴りが往復する。そして、その体は、みるみるうちに、紫にまみれていく。
【グジャア!!グジャッ!!グッシャアッ!!】
「‥‥‥‥‥‥‥」
ぬるぬるする『紫拳』。
しかし、それでも『気』は、すまない。
「ゼェッ‥‥ハァッ‥‥!ああああああっ!!!!」
【ジャキッ!】
【パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!】
乾いた音とともに、マウスに小さな穴が空いていく。小豆大の、小さく、鋭い穴が。
【パァンッ!パァンッ!パァンッ!カチッ‥‥カチッ‥カチッ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥カチッ】
やがて銃は、弾切れを音で知らせた。
‥‥‥‥‥‥‥‥
マウスは、ピクリともせず、うなだれている。
「‥‥‥‥‥‥ははっ」
ニタリと、龍一の顔が、歪んだ。
「は‥ははっ‥‥やったぞ‥‥やったぞ!‥‥」
龍一の声だけが、廊下に反響する。
「ははっ!‥‥あはははははははは!!」
返り血で紫色の狂い笑いは、あたりを異様な雰囲気で包んだ。