(くそ…、なかなか落ちねえな…。結構攻撃入れてるんだけどな…。)
(こいつ、攻撃自体は重くないんだが、止めどなく動くせいで隙ができない…。)
撃ち合いを続けながら、両者は考えていた。
しかし状況は、ショウの方が優勢である。
逆に劣勢だと悟ったギルテインは、この状況をどうにかしようと策を考える。
(こいつには手数もある。ずっとこのままではこちらの方がへばってしまうな…。)
「ふんっ!!」
すると、ギルテインは天に向けて手をかざし、そこへ光の矢を放つ。
「…?」
不審に思ったショウは、すぐさま2、3歩距離を置き、反撃に対応する。
光の矢は、宙で拡散し、小さな矢が雨のように周囲に降り注ぐ。
(こいつに一撃入れるには範囲攻撃しかない!)
「うおっと!!」
しかしショウはこれも上手く体を捻らせてすべてかわす。
(これは予想の範疇だ!)
続けざまにギルテインは先程と同じように地面を殴り、衝撃波を発生させる。それも、連発で。
「!?」
その連続の範囲攻撃に、流石のショウも対応が間に合わなかった。
「ぐっ…!」
衝撃波を受け流そうとするが、僅かに体を捻らすタイミングを失敗し、挙動が崩れる。
「うぉっ!」
さらに2発、3発と衝撃波を受けて吹っ飛ぶ。
「っつ!」
また、キリナとテルトはずっと有利に立っていたショウを見ていたので、驚愕すると同時に、負けたらという恐怖も感じていた。
「ようやく入った…。悪いが、ここから俺のペースだ。」
「……」
「…ショウさん!頑張れ!」
「テルト…」
ショウに対して違和のあったテルトが必死にショウを応援する姿を見て、キリナは少し感じるものがあった。
「…自分のペースにするって言ったな。」
「…」
「やってみろよ。」
その一言が探り合いから本気の勝負へと入る火蓋を切ることになる。
ギルテインは何も言わずにショウに突っ込んでくる。
「散れッ!!」
ショウ目掛けて放たれるのは、矢状の波動ではなく、範囲に広がる爆撃だった。
「……」
しかしショウはこれを全く避ける様子もない。
「な、何やってんだ、ショウさん!?」
そしてそのまま爆撃はショウに命中する。
「!、…あ…!!」
誰もがショウは大ダメージを受けた、そう思った。
しかし爆撃を受ける前、ショウはまた不敵に笑っていたのだ。