轟 第一部 9話

プロミ 2012-07-27投稿
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「ショウさん…」

「終わったな…」

そこにいる誰もが、これで決着が着いたと思っていた。

落胆すると共に、恐怖するキリナとテルト。

「さて、じゃあ次はそこの餓鬼2人を片付けるか。」

そう言って迫るギルテイン。

その後ろでは霧が晴れ、そこには…

「…!?、ショウさん!」

「何だと!?」

そう、そこにはダメージを受けたはずのショウが平然として立っていたのだ。

「ぐ…お前、何故生きている…」

「勝手に殺すなよ。まぁ、見てりゃ分かるって。もっとも、分かったところですぐお前は浄化されちまうんだけど!」

「くっ…なんという輩だ…」

ギルテインにとって先程の一撃は、渾身とも言っていいほどの技であった。

しかしそれを受けてショウが余裕綽々であるとなると、恐怖するのはギルテインの方になる。

「さて、そっちの2人も知りたがってるようだし、いっちょやるか。」

次の瞬間、ショウの周りに風が渦巻いた。

と思うと更に、その風に乗って、火が舞い上がる。

「…黒い、火が…」

「さて、頑張ったところ悪いが、俺はまだ先がある分温存しておきたいんでね。すぐ蹴り着けさせてもらう!!」

刹那、ショウはギルテインの正面に周りこんでいた。

「は、速い!!」

テルトは即座に状況を理解し、驚喜する。

「アディオス、怪人よぉ!!」

「!!」

恐怖と驚きですっかり挙動の遅れたギルテインは、防御体勢に全く入れていない。

「終わりだ、黒炎突破(こくえんとっぱ)!」

ショウは全身に黒火を纏った状態で、足から火のブーストを発車しタックルする。

「う、ぐぁああああああぁぁぁっ!!!!」

怪人ギルテインは、タックルを正面からまともに受け、断末魔をあげて浄化されてゆく。

「…ふぅ、やっつけたか。」

「「ショウさん!」」

キリナとテルトがショウに駆け寄る。

「すげぇよ、ショウさん!俺、見くびってたよ!!」

「私も、驚きました。まさかここまで強いとは…」

「まぁ、だてに長いこと旅してる訳じゃないからな。」

「にしても凄かった!なぁ、なんだあの黒い火は!?」

「あれは、まぁ…生まれつき持ってる属性だよ。俺は珍しいっぽいけど、よく分かんねー!」

「えぇっ、何だよそれ!」

そんな一時の気楽な問答をしているショウとテルト。

しかし恐らく、残るは最後の部屋のみとなる…。



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