バタバタ…!
一人の天使が慌てたように扉を開ける。
天使はひざまづき深刻な顔で顔を上げる。
「大変でございます!」
それを聞いた一人の天使は不思議そうな顔をした。
「なにか起こったのですか?
その様な様子が無いのですが。」
純白の長い髪を掻き分けながら問う。
「いえ。
堕天使が現れました。
すぐさま部隊を…!」
そう言って部屋を出て行こうとする天使を女性が呼び止めた。
「お待ちなさい!
慌ててはいけません!」
声を荒げると一回咳ばらいをして優しく問い掛けた。
「一体誰が堕ちたのですか…?」
「それが…」
天使が言葉を濁す。
しかし、女性天使の悲しそうな顔を見て戸惑ったが答えた。
「ネル・オーランドです。」
「!」
女性天使は驚いたような顔をして、くるりと後ろを向いた。
「そうですか…。
分かりました。
大天使ミラカの名をかけてネルを助けましょう。」
「はい!」