−次の日−
ガラッ!
「おはよぅござぃます…」
人気のない保健室の扉を開ける。
俺はまだ誰もいないだろうと思って、強く扉を開けると、もう先客が一人いた。
「……誰だ。お前は?」
先客の多分年上であろう男はイケメン?な顔立ちをしており眼鏡かけて、こちらを睨んでいた。ただし、歯磨きをしながら。
「誰って……白木 命といいますが」
名前を聞くと、男はああと納得し。
「クロエ先生と中村が言っていた、引きこもりの青二才か」
「引きこもりの青二才!?どんな説明したらこんな解釈になるんだ中村先生!後、クロエ先生って誰!?」
「ふむ、ツッコミは80点だな、因みにクロエ先生は偉大だ」
「歯磨きしながら誉められても嬉しくないです」
「ところで一年坊、さっさと扉を閉めてくれないか」
「あっ…すみません」
俺は静かに扉を閉める。
すると、歯磨きをし終えた年上の男は、俺の前に立ち。
見下ろす形で
「二年の八王子だ」
と名乗るとカーテンの中にあるベッドに戻ってしまった。
「………八王子…プッ」
俺は、顔に合わない名前に思わず笑みがこぼれた。
そのすぐ直後、カーテンから本が飛んできて、たんこぶができたのは言うまでもない。