青春カルテ5

大家 2012-07-31投稿
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「「誰だ。お前は?」」

名も知らない、少女……いや幼女と表した方が合っているかもしれない、ぶかぶかの白衣を着て、サーターアンダギーを持っている幼女は俺の顔を見て
「……何だい?その間抜けッ面は」
「産まれて15年、ずっとこの顔ですが……ていうかあなたは?」

すると、幼女は口にサーターアンダギーをほおりこみ、保健室の一番奥にある保険医の机の上にどすんと座った。

「私は、『黒坂 恵』。皆からは『クロエ先生』などと呼ばれている……この保健室の先生だ!!」

彼女は板のような胸を、限界まで張り、先生用の名札を見せつける。
「まずは君の名前を聞いておきたいのだが…教えてくれないか?」
「白木 命です……」
「ああ!思い出した、思い出した。忍から聞いてるよー。ごめんな昨日いなくて」

「……えっと…先生は出張中だったんですよね?」
まぁ出張中なら仕方ないだろう。

「……ぁあ!そうだとも!私はとても大変なオペに駆り出されてだな……」




「クロエ先生、帰ってたんですか」

八王子先輩がカーテンから顔を覗かせる。

「白馬!おはよう!いつも早いなっ」

聞いた事のない単語が出る。
「白馬?」

「ん?聞いてないかい?こいつの本名は『八王子 白馬』というのだぞ?顔にあわない爽やかな名前だ」

ケラケラとクロエ先生は笑う。
「……クロエ先生、父上のぎっくり腰はどうでしたか??」

「ぎっくり腰?」

「なんだ?知らないのか?クロエ先生は昨日、親がぎっくり腰になったと聞いて故郷の沖縄に帰っていたんだ」

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