変態になりかねます」
何が変態だ
それはお前だろうがこらぁ
と心の叫びが聞こえてきたが、ここで物議を醸しては数年前の後輩を殴った自分と何ら変わらない
ここは大人の対応だ
と思うとさらに返答に窮してしまうのであった
そこにさっきまで静観していた織姫の頭の花がパッと光った
今度はこっちかと思いながらも何か言いたげであったので、聴くことにした
「えふっ、おほほほおほん…
仕方ないわね
八方塞がりだわ
ここであたしの助言
いいかしら、浦島様」
悪いとは口を裂けても言えない雰囲気だったので、はいと一言だけ言った
「ここら辺におそらく私のお世話になった病院があるわ
勿論、ここら辺という限り、近くの病院であることに変わりはないわ
間違ってもウラジオストクなんかに連れてはいきません」
なんだか、何かのコントを見ているかのようだが、織姫や彦星の内心は真面目であるつもりなんだろう
僕にとってはさっきの彦星にしても今、話している織姫にしても亀吉以上に噴飯ものに感じられるのであった
しかし、ここで口を挟んでは目的の病院までたどり着けない
暫しの辛抱だ
「実は前に私が天から海に旅行してスカイブルーともオーシャンブルーとも言えない妙な病気にかかってしまったの
ちなみにこれは、海鬱病っていうんだけどこのことはおそらく、亀吉さんとあまり関係ないと思うからあえて詳しくは言わないわ
で、その病気にかかってしまった時の精神科の病院に行くしかないわね
亀吉さんも精神的な一過性の病気だと思うわ」
その先の病院名まで聴きたかったが、僕が聴いても行き方がわからなかったので黙っていた
一瞬の沈黙の後、彦星の口が開いた
「為杉病院か」
「そこ溜めるとこじゃないだろ
あぁ、それともまた今度は溜めると為をかけましたぁ
なんて、言うのか
はぁ、全く君たちのコントには感激しちゃうね
まさに、噴飯ものだ
まさに…」
「…」
「…」
「あぁ、残飯だったけ亀吉が…」
「亀吉殿を馬鹿になされるおつもりですか」
突然、さっきまでの彦星とは違うキャラが出てきたのでまたさっきとは違うかたちで黙りこんでしまった
もう勝手にしろとも言えなくなったのである
その代わり、織姫がさっきの会話の続きをした
「そうよ、彼処だったら間違いないわ」