因果…らりるれろ

紗依枯(さいこ) 2012-09-05投稿
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【ライン】

目を開けると、暗闇の中をラインだけが見えた。

そのラインに沿って歩いた。

私は生きているのだろうか?
それとも、死んだのだろうか?
最後の記憶が定かではない。
只、背中を押された気がする。
押したのは、男なのか女なのか、それともそんな気がするだけなのか…。

思い出そうとしているのに、足は立ち止まる事なくラインに沿って歩いている。

このラインは一体、何処まで続いているんだろう?
明かりも音も無く、記憶はどんどん、薄れて行く。

【リセット】

私は誰だ?
名前は…確か…山…?
解らない。
私は男なのか女なのか?

最後の点の様な記憶さえ、消えようとしている…。

………パチン!
何かが頭の中で鳴った様な。
その時全てが消えた。

【ルテン】流転

目を開けると暗闇では無いが、全てがボンヤリしている。
耳元で懐かしい優しい声がした。
咄嗟に「姉さん!」と叫んだが、口から発した言葉は「オギャア!」 「…?!」
私は赤ん坊になっていた!
嬉しそうに私を抱く姉の顔が見えた。
その背中から私を覗く、幸せそうな顔…
「この男、何か嫌な感じがする」
姉が、その男に言った。
「貴方も抱っこしてあげて」
私は男の手に渡された。

「やめて!!」
叫ぶ声は、激しく泣く赤ん坊の声になった。
「抱き方が下手なのかな?嫌がってるみたいだ。」
そう言って私を姉に渡した。
「その内、慣れるわよ。ね、栞ちゃん。」
私の名前は「栞」らしい。
姉が私の顔を見ながら言った。
「亜紀ちゃんが生きてたら、きっと凄く喜んでくれたわね…。」
そうだ!
私は「亜紀」だ!

そして…姉の傍らにいる男は…
あぁ!…私を殺した男じゃないか!!
「どうして、姉さんはこの男と一緒に居るの?
私を殺した男なのよ!」
必死に訴える言葉は、赤ん坊の鳴き声になって虚しく響いた…。

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