国連加盟国で一番小さく、永世中立国のハバナ王国
湖に囲まれた中に巨大な白亜の宮殿がある
国民と王族が行き交う華やかな宮殿
たまに動物も走り鳥も飛ぶ
『王妃様ー!王妃様』
侍女が探す
『ここにはおりません』
『じゃ国立病院では?』
王妃は医師である日本人
前の王妃は王子を1人産むと亡くなってしまった
彼女は18年前に結婚をした
第二王子、第一王女を産ん『なぜすぐに医師のお仕事に行ってしまわれるのか』
『王が許したのだから仕方あるまい』
『でも王妃王妃をしていなくて、気さくでよろしいことですわ』
『バカ!そんなことウシオ様に聞かれたら大変ですよ』
侍女は急ぎ足で病院に向かった
『血圧も安定していますから、食事療法を続けましょう』
『ありがとうございます、ありがとうございます王妃様』
『王妃ではありませんよ、ここではしがない医者ですよ』
患者は何回も拝みながら感謝した
患者が出て行くと入れ替わりに侍女たちが入ってきた
『どうしました?』
王妃はカルテをかきながら聞いた
『大変でございます!王女様が茉里様が消えました』
『茉里が?』
慌てる王妃
看護師に出かけるむねを伝えると自転車に飛び乗り王宮に向かった
『あのじゃじゃ馬が…ついにやりおった』