―これは完全に一目惚れなのかもしれない。
君について知ってること
・学年
・クラス
・顔
しか無いんだ。
でも君が気になってしかたないんだ。
申し遅れました。
佐藤旬(高2)です。
"君"との出会いは突然
クラスの友達金井と廊下を歩いていた時
急に金井が
「こんにちは〜」
とか言い出すからびっくりして見ると
言われた本人もびっくりして会釈しながら
「こんにちは」って
(赤リボン?3年生か…部活の先輩か)
後輩に返す挨拶にしては丁寧すぎるほどの挨拶をするその先輩に
なぜか惹かれた。
俺の学校は理系に力を入れている学校で
文系のクラスは各学年25人クラスが2つ。
そのため3年と2年の文系は同じ階
だから"君"のクラスはすぐにわかった。
ラッキーなことに隣のクラス
今まで気づかなかったことに後悔。
さらにラッキーなこと
"君"の席は廊下側
だから廊下側の窓を開けていると君がよく見える。
いつも遅刻ギリギリな俺が3年生の教室の前を通って教室に向かう時
いつも"君"を見る。見てしまう。
その日の宿題や小テストの勉強をしている"君"はいつも俺が見ていることを気付かない。
"君"がいつもの時間に席に居ないと心配する
"君"と廊下に同じタイミングで出れるだけで嬉しい
これは恋?
でも名前も知らない
ある日
「なんで旬いつも3年の教室見てんの?」
クラスの友達中島に聞かれた。
(バレてたのか…)
「実は…」
中島にすべて話した。
中島はおしゃべりなところはあるか信用できるやつだ。
「それは完全に一目惚れだろ」
「だろうな」
「だろうなって…。で、誰なんだよ」
"君"が廊下で友達としゃべっている
(タイミングが良いのか悪いのか…)
「あの人」
「へ〜かわいい系だな。白いし。」
「あんまりジロジロ見るなよ!」
「ごめんごめん」
次の日
たまたま中島と下駄箱で会ったので一緒に教室に行くことに
今日も開いてる3年生の教室の窓
いつもみたいに見てしまう。
「あ、先輩居るじゃん」
「…」
「そういえば何先輩?」
「いや、名前は…」
その瞬間
一瞬だったけど"君"と目があった
気がした。
びっくりして何も出来なかった。
その日を境に
本当にときどきだけど"君"と目が合うようになった。
けどそれで気付いた。
"君"は俺じゃない誰かを探している。
廊下にいる"君"は必ず2年生の教室のほうを見る。
けど俺を見ていない。
いつも"君"の視線は一点だ。