「あっははははは!!」
狂ってる‥‥今の彼を見た者は、きっとそう言うだろう。
「あはっ!はっ!ははっ‥‥!‥‥‥‥」
一仕切り笑った後、龍一はゆっくりと、その光景をまの当りにした。
むらさき‥‥
壁に横たわる白い巨体、床、その周りの壁‥‥全てがペンキをぶちまけたかのように、紫色だった。床に至っては、ドロドロした血の池ができていた。
学校の廊下など、程遠い。
「‥‥‥何やってんだろ‥‥‥俺‥‥‥」
【‥‥ピチャッ‥‥ピチャッ‥‥】
拳からしたたるマウスの血が、音を立てて池に落ちる。
龍一は、自分の体を見た。足先から顔まで、ぬるぬるした感触とともに、たっぷりと塗りたくられた紫色の返り血が、事の残酷さを物語っていた。
(これが‥‥俺の‥望んだこと‥‥?‥‥俺の‥‥願った物‥‥?)
【‥‥ピチャッ‥‥ピチャッ‥‥】
不意に涙が頬を伝い、池に落ちた。
「‥‥ぁあぁ‥‥」
(俺は‥‥こんな事を‥‥これからやり続けるのか‥‥?死ぬまで‥‥ずっと‥‥?)
「‥‥ぁあぁ‥‥!」
(何の‥‥意味が‥‥?いったい‥‥何‥‥の‥‥)
【ピチャッ‥ピチャッ‥】
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」