桜の木の下で

タコス  2006-09-19投稿
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16歳の頃

僕は両親に虐待されていた。

毎日言葉で責められ、
毎日殴られる。


辛かった。


僕は家を出る事を決意した。


行き先なんて分からない。

宛てなんて何処にもない。


只、最後に世界でたった一人愛する君に会いたくて、桜の木の下に君を呼び出した。


僕が全てを話し終える前に君は言う。

「ヤダ!行かないで!!お願い!!」

「ごめんな…」


君は泣きながら、

「私は貴方を愛してる!だから私も連れて言って…!」


・・・・・・。

長い沈黙の後、俺は口を開く

「俺も貴方を愛してる…だから連れて行かないんだ」



君は沢山泣いた後、

最後、僕に太陽のような笑顔を見せてくれた。






あれから、10年後。

僕は春になると、たまにあの桜の木の下に行っている。

アイツは今、何してるんだろうなぁ…。


木の下で少しだけ寝ようと目を閉じる。



「あれ?痩せた?」


僕の耳元に響くかん高い声。


そっと瞳を開くと

そこには…。




太陽のような、笑顔があった

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