雷…?
ヤバい、…手が熱い。
頭がジンジンす、る―――――…。
私は、何が起こったのか状態を理解せぬまま、意識が遠ざかっていくのを感じた。
花村月斗「お、おい!大丈夫か!?
ちょっ、花音!!手伝って!」
如月花音「ふぇ!?
そ、その子倒れちゃってるじゃない!
とりあえず保健室っ!!」
???「…待って。頭は揺らさない方がいい。」
花村月斗「…あ!桂木先輩!」
桂木陸(カツラギ リク)
[戦闘科3年 属性は炎 ペアは居ない]
桂木陸「如月は教室に戻って。花村はこの子を運ぶの手伝ってくれないか。」
花音&月斗「わ、わかりました!」
私(………あれ…私…?)
保健室特有の消毒液の匂いと、白い壁を見て自分が置かれている状況を理解した。
私(そっか…、私倒れちゃったんだ…。)
桂木陸「気分はどう?」
優しい低い声が左から聞こえた。
私「あ…運んでくださったんですよね?
ありがとうございます!
あの…あなたは…?」
桂木陸「俺?俺は桂木陸。
戦闘科3年だから、先輩…なのかな?」
私「じゃあ、桂木先輩って呼ばせて貰いますね。」
そんな他愛もない話をしていると保健室のドアが開いた。
花村月斗「うへぇ〜、先生どこにも居ませんよー…。疲れた…、
あ、目え覚めてる!!」
花村くんが先生を呼びに行ってくれたようだ。しかし、来て早々騒がしい。
私「…あ、花村くんも運んでくださったんですか?
ありがとうございました。」
お礼を言うと、花村くんは照れ臭そうに笑った。
ほう、なかなか可愛い顔をしている。←
花村月斗「そういえば…、まだ自己紹介してもらってない!」
霧沢魅雷<私>「あ……、確かにまだしてなかったですね………。
では…、私の名は霧沢魅雷(キリサワ ミライ)です。
魔術科か戦闘科かはまだ決めていません…
よろしくお願いします。」
自己紹介を終えると、桂木先輩がこう付け加えた。
桂木陸「…いや、決まったよ。
君は…魔術科に入った方が良い。」
霧沢魅雷<私>「え…?」
桂木陸「さっきの事、覚えてる?
君が覚醒した瞬間を―――――。」
その言葉を聞いたとき、あの時の事が頭をよぎった。
花村くんのくすぐりに腹が立って、思い切り叫んだ時に出た光…。
桂木陸「そう、君の魔属(魔法属性)は…、
雷だ―――――。」