あたしがやる、とは言いつつ…まじで難しい。大体は弾けるようになったが、翔貴が「心がこもってない」やら「何で棒読みみたいなんだ」とか、あたしはお前のせいで弾くんだから、ちょっとは感謝しろよ!って思っちゃう。
「霧島、頑張ってんじゃん」
陸斗がオレンジジュースを持ってきた。
「何で、他人事みたいな態度?」
あたしは、少しキレ気味で言った。すると、まぁまぁ、と髪をクシャクシャに撫でてきた。
「少しは休めよ!ってか今から抜けるぜ。ほら!」
腕を掴まれ走る。さすがに速い。
走った先は
屋上だった
下を見れば
fight
と下手くそな字で書いてあった。