翔貴は実の妹を睨み付けるように見ている。
「夏々…何故ここにいる?来るな、と言っただろ−が」
「そんな顔しなくても…。双子なんだし」
夏々はセミロングの髪を、指に絡ませながら言った。
「陸斗君とも面会あるんだよね」
私は陸斗のほうを見る。陸斗も覚えてないらしく首をかしげている。
「翔貴、あたし、ここに転入すんの。だから今日ここ来たんだよね」
涼しげに言う夏々に対し体を震わせながら、翔貴は言った。
「ダチに手ぇだしたら、許さねぇからな」
女子に対しても、凄い目付き。今までに見たことのない瞳。そんな翔貴に、私と陸斗は何を言うこともできない。
「まだ隠してるんだ。過去を…」
翔貴の過去とは?何だ?