私達は翔貴と夏々の過去を知ろうと、母親に会いに行ったが「夏々のことは知らないわ」と跳ね返された
「それほど隠したい過去があるんだろーな」
ため息混じりに陸斗が言った。
「うん…」
「空?どうした?」
「いや…何か引っ掛かるなぁって思っちゃって…気のせいだと思うけど」
陸斗はクスッと笑った。私は何が面白いのかわからない。
「何でも、気のせい、で終わらせるんだな」
「ほぇ?」
抜けた声を出してしまい、私は真っ赤になるが、陸斗は大爆笑。
「笑わないでよ〜!」
陸斗の背中をぽこぽこと叩く。
「だってよー、ほぇ?って、アハハハ」
「陸斗の馬鹿〜」
私達は翔貴と夏々のことを忘れ、家に帰った。
久々に保育園のころのアルバムを見ると、驚いたことに
長谷川翔貴
と書いて会った。卒園写真には載っていないのに
翔貴は私達と同じ保育園に通っていたのだ。