闘技演武一回戦が全て終わったその夜、能力協会大阪支部にユウとタケがいた
タケ「仮面の奴がムカイなら本当に変わっちまったんだな…」
冷めた珈琲を飲みながら座ってるユウを見る
ユウ「…」
ユウは何も答えず冷めた珈琲を飲む
タケ「で?チーム恐神をこれからどうするんだ?闘技演武開催中はどんな犯罪者であろうと逮捕出来ない決まりだ。だが上へ報告する事は出来るがどうする?」
冷めた珈琲を一気に飲み、紙コップを握り潰す
ユウ「奴らには決勝まで進んでもらう。勿論これからチーム恐神と対戦するチームに棄権するようにこちらからお願いする」
タケ「という事は…」
飲みかけの珈琲をゴミ箱に捨てる
ユウ「俺達が決勝で奴らを止める!」
闘技演武が開催される二日間の深夜、能力協会が運営する病院の特別室に元能力協会代表シゲル・リーンが眠っていた
「ガチャ!」
窓の鍵が開き、窓を開け涼しい風と共に人が部屋に入る
シゲル「ここは最上階じゃというのにどうやって登ってきたんじゃ…コソ泥よ」
体を起こす事なく、天井を見たまま喋るシゲル・リーンに驚くヴァン・スティール
ヴァン「驚いたな…報道していた通り結構元気じゃねーか」
シゲル「何しに来たんじゃ?今のわしの命を奪っても何の価値もないぞ…」
ヴァン「安心しろ、今日の俺はただの案内人だ」
シゲル「案内人?」
すると病院の廊下をコツコツと歩く音が聞こえ、シゲル・リーンの部屋の前で止まり、扉を開け入って来た人物にシゲル・リーンは安堵の表情を見せる
シゲル「お主か…そろそろ来る頃だろうと思っていたが、まさかコソ泥と一緒に来るとは…」
シゲル・リーンの部屋に入って来た人物は「C・オルゾ」白い髪に真っ赤な目をしており、貴族のような服装で真っ赤なマントがヒラヒラと風で揺れていた。今はどこにも属さずフリーだが、昔は能力協会副代表を勤めていた
オルゾ「ただ単に見舞いに来た訳ではない」
表情は冷たく、その真紅の瞳を見ているとこっちが燃えてしまいそうな雰囲気だ
シゲル「分かっておる。能力協会代表の座ならいつでもなるがいい…」
意外な発言に驚くヴァンに対し、表情を崩さないオルゾ
オルゾ「代表になる前にやる事がある。これをやれば貴方を倒した復讐者の手を貸す事になるが、ARCの代表キール・ロワイヤルは私が倒す…」