今日人生の中で『最も』と言っていいくらいの大事件が起きた。
「…死にたい」
「それくらいで逝くな」
「…はい…。」
キツメの香水の臭い。
すこし鼻につくタバコの臭い。
広い肩幅。
ほどよい筋肉のついた骨ばった肩。
通った鼻筋。
よく覚えている。
「椎歩も悪くなくはないんだよ?いっつも下向いてんだから」
「はい…」
今日、学校1のモテないイケメン、倉津刹那とぶつかったあたし。
あ。
モテないんじゃない。
誰も近寄らないんだった。
冷たい目線向けられて終わったけどね。
黙ってれば格好いい
なんて言う変な誉め文句があるけど、倉津刹那にはそんな言葉似合わない。
オーラ、だよね。
触れたら殺す 的なあの視線。
ありえないし。
ってか…
なんだあの偉そうな態度は。
横柄なあの態度は。
疲れました。
数秒であたしの世界は終わりました。
あたし、何かした?
しかもしかもぶつかった瞬間、向こうが聞こえるか聞こえないか位の声で
【死ね】
なんてとんでもない暴言をはいてくれたせいで、メンタルの弱い桐谷椎歩は死にそうです。
まぁ、その後にとてつもない迫力を持った舌打ちを噛まされたわけで。
今日の事のせいで、でなぜか浮いているあたしと、一緒に浮いてくれている親友の桜井実。
近況報告、呆気なく終了。
どうしよう。
2度と会わない事を願います…