叶呼『野中の部屋って、意外と片付いてるんだねぇ』
貴博『まぁな』
パイプが机の上にあったので叶呼の目に付く前にポケットにしまった。
叶呼『野中ってさ、初めは変な奴、とか思ってたけど実はいい奴だよねぇ』
嫌われてはいないらしい。
貴博『それはインドとインドネシアを間違えるくらいの誤解だ』
叶呼『友達は怖い人って言ってたけど、それほど怖くもないしさ』
怖い?
俺が?
貴博『………』
ったくどいつもこいつも…。
叶呼『ん?どしたの?』
沈黙している俺が気になったのだろう、叶呼が伺ってきた。
貴博『あ、茶でも淹れてくるから、少しまってて』
叶呼『はーい、いろいろ物色してるからねー』
見られて困るものなんかないんでね。
階段を下りる。
やべぇな…。
叶呼にキレる所だった…。
少し自分を抑えないとな。
ピンポーン
貴博『あ?』
誰だぁこんなおいしいシュチュエーションに水差しにくるのは。
貴博『はーい』
ガチャ
男『よーう貴博、遊びにきたぜ』
貴博『………』
なんて間が悪い。
こいつは太田博一(おおた ひろかず)