髄まで愛した一生 #1

しんとも 2013-08-16投稿
閲覧数[618] 良い投票[1] 悪い投票[0]



誰かが否定した。


僕は女を好きになった事がないのだと。


確かに僕は、自分から積極的に恋愛がしたいとか、彼女が欲しいとか、思った事がない。


て言っても、別に恋愛をしたくないって訳じゃないよ。相手が好きだと言えば、容姿が極端に悪くなければ、だいだい付き合う。


だって、わざわざ相手を傷付ける必要もないでしょ?



だからか、1ヶ月くらいで嫌になるよ。

相手から。



僕は付き合っていくうちに、だんだん好きになっていく。ゆっくりと。付き合ってから分かってくる感じ。



でも、それはたぶん特殊。



付き合い始めて、今から会いたいと言われて、イヤな思いはしないけれど、実はいつも『なんで?』と思っていた。



そこで女と温度差をいつも感じる。


彼女と水族館に行きたい、彼女と美味しいものを食べたい、一緒に旅行に行って思い出を作りたい、それは僕も思う。




でも『好きだから会いたい』とは思った事がない。



たぶん、女性特有の感情なんだろうと考えた事もあるけれど、それもどうやら違うらしい。




普通は、好きだから会っていて、好きだから人前でも泣ける。そういうものが、恋愛らしい。




普段から考えている訳じゃないけれど、『なにそれ?冗談だろ?』と時々思う自分がいる。


なぜなら、その経験がないからだ。


でもこんな事を言うと、決まって人は言うね。




お前は本気で女を愛した事がない。てさ。うるせーよ。




でも。確かに。馬鹿にしてそんな人間を見ていた。彼女の話ばかりしてる男を呆れて見ていた事があった。どこかでずっと思っていたんだ。



そんなに好きになれる女って、いったいどんな女だよ?



そんな時、この看板が目に入った。




『あなたは本当の愛に出会った事がないでしょう。あなただけの愛の形を教えます。者楽遊』




『しゃらくゆう?』



こんな僕の話を信じてくれますか?



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「しんとも」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
◆因縁の対決◆
毛穴・黒ズミVSジェル


▲ページトップ