凜「…おい。」
しばらく凜に見とれていた。
凜「っおい!聞いてんのか!」
瑠「…はっ!はい?」
びっくりして大きな声を出してしまった。
凜「っ!うっせーなー。………凜だ。」
瑠「へっ?」
凜「…俺の名前。」
瑠「あっ、私は瑠嘉です。」
凜「…っ!……あっそ。…別に聞いてないし。」
瑠「でも、これからお世話になるので、知ってもらったほうがいいと思って。
あっ!それと、瑠嘉って呼んでください。」
凜「…じゃあ、行くぞ。………瑠嘉。」
瑠「はい。」
何故か凜が、いきなり眼を合わしてくれなくなった。
瑠「…どうしたんですか?」
凜「…はっ?なっ、何でもねーし。………お前も、呼んでいーから。…凜って。」
瑠「…?はい。そうします。」
凜「…あと、敬語使わなくていいから。」
瑠「…うん。分かった。」
そう言われて、なんだか嬉しくて、凜に笑いかけた。
凜「っ!?…っこ、こっち見んなっ!」
瑠「えっ?なんで、酷い!」
いきなり見るなと言われて少しショックだった。
凜「…おっ、お前さぁ、他のやつにはさっきみたいな顔、すんじゃねーぞ。」
瑠「…他のやつって?」
凜「…俺以外の王子。」
瑠「なんで?」
凜「…なんでって、…キモイから。」
瑠「えっ!!嘘!今まで何回もしてた。どうしよー。」
凜「……俺は、そんな顔好きだから、していいけど。」
瑠「…えっ?そうなの?変わってるね。」
蓮「本当は、俺以外にその可愛い笑顔、見せたくないって、思ってたんだろ?」
凜「はっ!?っな!蓮!なんでいんだよ。」
瑠「えっ?…誰?」
蓮は、木の上から飛んできた。
蓮「…なんで?凜が帰って来ると思ったから、迎えにきた。嬉しい?」
凜「!…はっ?そんな訳ねーじゃん。」
蓮「初めまして、蓮だよ。君は?」
瑠「瑠嘉です。よろしくお願いします。」
蓮「うん。よろしく。」
凜「って、聞けよ!」
蓮「あれ?まだ居たの?聞いてたよ、嬉しいんでしょ?」
凜「なっ!」
蓮「凜は照れ屋さんだから。瑠嘉ちゃんの笑顔、可愛いって言えないだけだから。」
瑠「えっ?」