黒い夜。実に黒い夜。
野良犬が吠えた。
桂浜謙一はウォーキングしていた。
ある日、謙一は課長に殴られた。むちゃくちゃ痛かった。謙一は自殺したくて、踏切の前に立った。
青い空。白い雲。
釣りに来ている。なかなか釣れない。謙一はイライラしてきた。
妻の佐和子が謙一に言った。
「たけしに自転車買ってあげてよ」
「いいよ」
強い風が吹いた。スカートがめくれた。
謙一は、今度は部長に殴られた。悲しくて悲しくて居酒屋で飲んだくれた。
野良犬が吠えた。
月が笑った。
妻が謙一に言った。
「ねえあなた。たけしにエロチックな本買ってあげてよ」
「やだ」
強い風が吹いた。スカートがめくれた。ちびっこたちが騒いだ。
黒い夜。実に黒い夜。
謙一は悲しかった。実に悲しかった。仕事で失敗をしてしまった。
自殺も考えた。
でもすぐに忘れた。
カレーライスを食べた。辛かった。実に辛かった。
野良犬が吠えた。
月が涙を流した。
ガッデム!
ガッデムボーイが走った。
「あっガッデムボーイだ!」
強い風が吹いた。眠たくなってきた。謙一は、寝た。しかし、深夜に起きた。お茶を飲んだ。
落ち着かない。
黒い夜。実に黒い夜。
おわり