「勝って嬉しいはないちもんめ」
「負けて悔しいはないちもんめ」
「あの子が欲しい」
「あの子じゃわからん」
「相談しよう」
「そうしよう」
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チュン…チュンチュン
朝起きると、カーテンの隙間から光が差し込んでいた。
ボーっとしていると、お母さんが私を呼ぶ声が聞こえた。
「麻美ー!そろそろ起きなさーい!」
私は、小野寺麻美。
今日から小6になる。
あ「今起きたー!」
お「早く降りて来なさーい!」
今日もいつもと変わらぬ会話をして、いつもと同じ通学路を通り、いつもと同じ学校に行く。
いつも通りと変わらぬ生活が出来ると思っていた。