連邦公国軍の軍中枢部の会議場は武装勢力に乗っ取られた。
会議場には多くの軍中枢関係者が集まっており、反体制組織『革命教団』は連邦公国軍元少将加原の手引きにより見事に軍中枢部の制圧に成功した格好となった。
会議場に居た者の多くが「この世界はもう終わる」「我々に救いはないのか」とつぶやく。
しかし、連邦公国軍総元帥川崎大信は会議場の中心で腕を組み、表情一つ変えず鎮座する。軍中枢部の全員処刑まではもう時間がない。
(待つのだ。機を・・・)
川崎は会議場を制圧している30人ほどの武装勢力の動きに注視しつつ左手首にはめた腕時計にも目をやっている。
(恥をかくのはお前らのほうか、それともワシらか楽しみだわい・・・)
一方、大公をを会議室から連行した革命教団の黒幕である加原と教団幹部のハーツは公邸内にある報道スタジオへと向かっていた。
「ついに、我らの目指す理想の世界が幕を開ける。これからこの大公殿下には我らに屈することを誓ってもらう。」
加原は薄黒い歯を見せ紫掛かった口元で笑みを浮かべる。
「あなたの理想、そして私の理想。全てはあの人の復活へ」
ハーツは恍惚の表情で加原を見つめる。そして
加原&ハーツ「我が君の復活のため!!より多くの血を!!より多くの絶望を!!」
報道スタジオの扉は開かれた。