絆 〜5話〜

yui 2013-12-24投稿
閲覧数[511] 良い投票[0] 悪い投票[0]

〜昼休み〜

「ハァ…全然授業に集中出来なかった。」

しかし無性に腹が減った……
弁当忘れてきたし…

「しょうがない。パンでも買いに行くか…」

私がパンを買いに行く為歩いていると、ギャーギャーうるさい奴等がいた。

「誰だ?ウッサイなぁ…周りの人の迷惑になるだろうが……!?」

「!!華憐じゃない。こんなところで会うなんて奇遇ね。」
「海希…この人誰?」
「中学校の頃の友達よ。」
「…友達…ねェ……海希…あんた、ずいぶん幸せ者ね!そんなたくさんの"友達"に囲まれて。」
「…何…?何か文句でもあんの!?」

出た。海希のすぐキレる悪いところ。ホント短気だな…

「イイエ、別に。ただ…そこにいる友達も、すぐ『ポイッ』って捨てるんだなぁって思って。」
「ハァ!?意味分かんない事言わないで!!華憐!!!」
「中学校の頃の…私みたいに。」
「!?」

私は海希の周りにいる"友達"に向かって言った。

「あなた達も気を付けて。こいつを"心友"にすると必ず裏切るから…」

『プイッ』

「ちょっと待ちなさいよ!!華憐!!華憐ッッッ!!!」



さてと、パンでも買いに行くか…


〜屋上〜

やっぱお昼は屋上が一番いいな。
静かだし、ちょうど良い天気の時は気持ちいい。


『ガチャッ』

「??」

誰だ?こんな時に…

「あ…華憐さん…」
「!!?」

咲衣…!!


『スクッッ』

私は屋上を出ようとした。
そしたら…

「ちょっと待ってください!!」

『ピタッッ』

「何で…何で逃げようとするんですか!!?私が華憐さんと心友になろうとするのがどうしてダメなんですか!!!?」


どうして…?そんなもん、決まってんじゃん!!


「ッッッ!似てんだよ!!!アイツに!!!」


『ダッッ』

「…私は…私は海希なんていう人じゃありません!!!」
「!!!?」

何で…何でその名前を…!!

「私は海希なんていう人じゃないから、華憐さんを裏切りません!!捨てたりなんかしません!!!」
「ッッそんなもん分かんないじゃないか!!!」
「だったら、私が裏切るなんて事も分かんないじゃないですか!!!」
「違う!お前は必ず裏切る!アイツみたいに「私は私です!」ッ!!」
「ちゃんと私を見てください!私は…私は海希なんていう人とは全然違う!!!」
「!!!?」
「華憐さんは…私がそんな簡単に人を裏切る人に見えますか!!!?」




ッッ…私だって…


「私だってちゃんと咲衣の事を見たい!!!」

『グズッッ』

「私だって人を信じたい!!!!」
『ポロッッ』



「うぅ…ああぁ……!!」

『ボロ ボロ ボロッッ』



「ああぁーーーー!!あぁあーーーーー!!!うぅッッ」

「…華憐さん…華憐さん、大丈夫ですよ。華憐さんは一人なんかじゃありません。私がいます。頼りないですけど、二人でいれば楽しさ二倍、悲しみ半分です!私と華憐さんは、心友でしょう?」



ありがとう…咲衣、ありがとう。
私なんかを心友にしてくれて……



「ありがとう…」

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「yui」さんの小説

もっと見る

学園物の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ