千年の約束

H.W. 2013-12-26投稿
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栄華を極めし一族も
今や滅びて民草に
まじりて生きる 世の定め
喜怒哀楽のむなしきや
重荷担える我らでも
地に足つけて 一歩ずつ
前に進まん 夏の空
わきたつ雲の 峰の果て
白き衣は干されたり
衣の白きは変わらずに
今も映えたり 夏の空

新芽めぐめる青柳
若きますらお おとめらの
歌舞音曲も 今はやみ
ただ静かなる 時の流れよ
山河変わらじとこしえに
いにしえよりのその姿
我は望めり はるけきに
緑のあおさはいよいよに
深まる日々に我が瞳
浮かぶ涙は何故なのか
ただ悲しけれ 夏の空

海の幸と山の幸
栄華を極めし一族の
食卓飾る ご馳走も
今は過ぎ去り塵をはむ
一族の 名に連なりて 食卓に
並びし家も今ははや
夏草のごと風にゆる
高ぶり歩むその道は
神の怒りに触れずして
捨て置かれずにされもせず
ただ低められ 塵をはむ

「我汝と共にあり、汝我と共にあり」
栄華極めしその主従
千歳の霜をふるとても
その契りはその子らに
その子らの子ら、孫子らに
伝わらずしておかれしや
千歳の霜をふりし今も
その約束は守られて
神よ我らをよみしたまえよ

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