ロワール「知っていたんですね…」
ムカイ「あぁ…シゲル・リーンに聞いたんだ…あの時…」
それはムカイがシゲル・リーンを倒した時にさかのぼる
シゲル・リーンを倒してふらつきながら立ち上がり、その場から立ち去ろうとすると微かな声が聞こえた
シゲル「ま…待て…お前に…言っておきたい事が…ある…」
弱々しくなっていくが空を見ながら続ける
シゲル「お主の…復讐の相手は他にもいる…わしら愛国者を作り…育て…幾つもの戦いを経て今の世界を創った創設者…龍・老酒…だ…」
外を見ていたジャガーがこちらを向いた
ジャガー「ちょっと待て。その話が本当ならその龍・老酒とか言う奴は今いくつなんだよ!」
読んでいた本をパタリと閉じるハーデス
ハーデス「私もそこが気になります。長寿だとしても100歳は遥かに越えている事になるネ」
イザラ「その辺の情報は元SPのお前達が詳しいんじゃないのか?」
首を横に振るロワール
ロワール「すみません…我々は一度も会った事がなく、詳しい事はわかりません…ですが、現在能力協会とARCを裏で操り、能力者中心の世界を創ったのは紛れもなく愛国者…そして愛国者を創った創設者、龍・老酒という事です!」
イザラ「だが能力協会のシゲル・リーンはムカイが倒した今、老体であろう創設者の龍・老酒とARCのキール・ロワイヤルしかいないのなら倒すのにそんなに難しい事はないのでは?」
今度はムカイが首を横に振る
ムカイ「愛国者はもう一人いる…彼はシゲル・リーンやキール・ロワイヤルのように龍・老酒から組織を与えられて創る事はなく、自由気ままに過ごしているという…トカイ・キュベ」
全員が顔を上げ、驚きの表情を魅せる
ジャガー「またとんでもないビックネームが出てきたな」
ハーデス「伝説の魔人…」
ロワール「私が説明します。」
トカイ・キュベ…かつて、龍・老酒が創設した愛国者のリーダーだった男。シゲル・リーン、キール・ロワイヤル、トカイ・キュベ、この三人と共に、数々の戦いに勝利してきた。後にこの三人の事を三元帥と呼ばれる事に
イザラ「だが、5年前の戦争時に突然消えた…それからトカイ・キュベを見た者はいない。死亡説も言われた奴が今また出てくるのか!」
唾をゴクリと飲むロワール
ロワール「それが本当ならマズイですね…三元帥の中で一番強いと言われてます」
しばらく部屋全体に重い空気が流れる
ロワール「これから我々はどうするんですか?」
全員ムカイを見る
ムカイ「全員だ…」
ヒュ〜っと口笛を吹くジャガー
ムカイ(ヴァン・スティール…やはり嘘をついていた…奴も必ず!)