絆 〜12話〜

yui 2014-02-19投稿
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『…憐……』


誰…?


『華……憐……』


誰なの?


『華憐……』



この声………お母さん…?


『華憐。』

お母さん!!

どうして……


『華憐、お母さんね、ずっと見てたよ。』

!!!?


『……………頑張ったね…華憐、頑張ったね…』






『でもね、華憐。咲衣ちゃんの事まだ助けてないよ。』


?お母さん、違うよ。私、助けたよ?

助けたから、こうなったんだよ?


『じゃあ、華憐は満足してる?咲衣ちゃんを助けてこうなったんなら、この結果に満足してる?』


…………してない…



してないよ、してるわけないよ。
私、咲衣の笑顔見てないもん!!

『だよね。してるわけないよね。お母さんも見ててそう思ったよ。

だったら起きないと、華憐。』


でも、もうどうしたらいいのか分かんないよ。








私の見方、誰もいないもん!!!


………出来ないよ……






『本当にいない?何処かで華憐の見方してくれる人、居るかもしれないよ?』


居るはずないよ。

居るわけないよ!


だって、あんな事合ったんだよ!!?


お母さんはそこにいなかったから『咲衣ちゃんは?』ッッ!!?



『咲衣ちゃんは?』

それは………








『華憐、華憐は何処かで壁をつくっているんだよ。それがね、何枚もあるんだ。』


………え?




『壊しても壊しても壁はあってね、咲衣ちゃんは疲れてしまったんだよ。それで少しだけって休んだんだよ。』


お母さん…意味が分からないよ。

何を言ってるの?


『華憐はずっと壁を全部壊してくれるのを待ってたから、イライラした。爆発しちゃったんだ。それが、華憐、今の状態。』



……………


『華憐、自分で壊さないと駄目だよ。待ってるだけじゃ駄目だよ。どんな方法でも、壊さなきゃ。』




でも、でも、お母さん……


『大丈夫、大丈夫だよ。お母さんはずっと、華憐の見方だから。



だから、華憐。頑張って。ずっと見てるよ。』


あっ!!!待って!!!

お母さん!!待って!待って!!!






『ハッッ』


「はぁ、はぁ、はぁ」



病院………


「濡れてる……」


私は手でびしょびしょの頬を拭った。






『自分で壊さないと駄目だよ。』



「分かったよ。お母さん…」







壊すよ。自分で。


咲衣に本当の、心の底からの笑顔を見せるために。






頑張るよ。












どんな方法でも、この壁を……

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