髄まで愛した一生#6

しんとも 2014-03-03投稿
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歯を磨き顔を洗う。


頭の中では鈍い痛みが続いていた。


『ああ、痛い。飲み過ぎたのかな』


朝の行動はいつも決まっていたが、今日はテレビを見る余裕はなかった。


『おい、なんだその顔。飲み過ぎたのか?』


『んあ?ああ』



親父に心配される程、ひどい顔なのか?

頭はずっと痛いし、これは昼まで治らないだろう。



『はぁ』



ため息を吐きながら靴を履く。扉を開けて外に出る。


今日は良い天気だ。


でも、職場まで一時間半かかる道を、俺はほとんど下を見ながら歩いていく。


バス停のベンチに座りイヤホンを耳に付ける。お気に入りの歌を聴きながらバスを待つ。


ああ、いつもと変わらない。死ぬまで続いていくサイクル。



の、はずだった。


このバスに乗って、駅に着くまでは。

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