あれから、一年が経った。
華憐さんはあれからずっと寝たきりで
げっそりと痩せた
華憐さんの自殺するところは全国に放送されて
華憐さんのした事は素晴らしい事だと大好評
華憐さんをいじめている人達は捕まって
いじめは急激に少なくなったそう
良い事続きだけど
私の世界は
砂漠に咲いていた一本の花が枯れてしまったようで
私の心はぽっかりと空いて
「華憐さん…ッッ!!」
ただ
泣く事しか出来なくて
「私……何で生きてんだろ……」
何で
華憐さんが死んでしまったんだろう
家族や友達は
死んでないよ、きっとまた笑ってくれるよ、
って言うけれど
嘘だよ
生きてるはずないよ
もう一年も経つんだよ?
そんな奇跡、あるはずがない
『ガラッッ』
「咲衣ちゃん居る〜?」
え…?
私?
「あっ!いたいた!!ちょっと咲衣ちゃん借りまーす!」
この人って……
〜屋上〜
「どう?最近?あ、つか私の事分かる?」
「前、華憐さんと話してた人。」
「そうそう、あったり〜!!」
思えば、この人のせいだ
この人が
華憐さんにあんな事言ったから
『ジワッッ』
「アンタのせいだ!!」
「ん〜?」
「アンタが…アンタが華憐さんにあんな事言ったから…華憐さんは…華憐さんは…ッッ!!」
「………んで?」
「え…?」
「言いたい事はそれだけ?」
何で、
「何でそんな顔をしてられるの!!?アンタのせいなのに!!」
「だって私のせいじゃないもーん。私、何も、してませーん!」
「アンタのせいでしょ「じゃぁさ、」!!」
「私が言わなかったら、咲衣ちゃん、どうしてた?」
「どうって……」
どうしてただろう…
本当の事言ってた?
いや、そんなの無理
じゃあ言わなかった?
いや、それも無理
じゃあ………
「どうする事も出来ない。」
「!!!」
「違う?咲衣ちゃん?」
「咲衣ちゃん、君は卑怯者だよ。自分じゃ何も出来ないくせに、人の事悪者扱いして……
最低だよ。」
言い返す事が出来なかった。
悔しい
分かってるよ
卑怯者だって事位
「咲衣ちゃん、君は華憐ちゃんが生きてるって信じてる?」
「………………」
「信じてない、か…。咲衣ちゃん、華憐ちゃんは戦っているんだよ。凄く苦しくて、悲しい戦い。咲衣ちゃんが信じなきゃ、誰が信じるの?」
そうだ。
そうだよ。
何で
こんなにも簡単な事
分かんなかったんだろう
「帰って来る時の華憐ちゃんの場所、つくんなきゃね。咲衣ちゃん?」
「………私、ちょっと行って来ます!」
『バタンッッ』
「久しぶりに良い事したな、私。」
〜病院〜
「あの!すいません!!」
「助けてください!子供が凄い熱を…」
「遅いよ!!もう二時間も待ってんだぞ!!」
混んでる……
「どうしよう……」
……華憐さん!!!
「…咲衣……」
『ハッッ』
「華憐さん!!?」
『ザワザワ』
「気のせい、か……」
急がなきゃ
一刻も早く
華憐さんに会いたい!!
「華憐さん!!」
ん……咲衣…?
此処何処?
暗い……
痛ッッ!!
動けないし……
私、死んだの?
いや、痛いって思う事は
生きてるのか?
なら
生きたい
でも
目が開かない
怖い
また
裏切られそうで
また
一人になりそうで
怖い
けど
生きたい
どんな事があっても
生きていきたい
だって
これから先
素敵な世界が待ってたら?
咲衣と、これから出会う人と、心友になれたら?
体験したい
どんなつらい事も、悲しい事も
どんな楽しい事も、嬉しい事も
信じてる仲間と
一緒に歩んで行きたい
太く、堅い絆を手にして
一からやり直したい
『ガラッッ』
「華憐さん!!!!」
『ハッッ』
気付けば、そこは明るくて
咲衣の手を握って
「……咲衣…ッッ!!!」
泣いていた
私は何故生まれてきたのだろうか
私は何故生きているのだろうか
そんなの、誰も分からない
分からないから、生きるんだ
きっと
これから先
沢山のつらい事、悲しい事、楽しい事、嬉しい事が待っている
それは、
一人で乗り越えられないかもしれない
そんな時、
手を取り合って
一緒に乗り越えてくれる
そんな仲間がいたらどんなに良いだろう?
私は
その仲間と出会う為に生きている
生きていく意味は
人一人一人違うから
自分の生きていく意味を探すんだ
きっと
見つかる日が来る
その時、
君の周りは
沢山の仲間でいっぱいでしょう
−終わり−