陰鬱が二倍三倍四倍と高速回転して爆発する。街じゅうに陰鬱が漂う。陰鬱が広がる。灰色だ。気持ちが悪い。げろを吐きそうだ。あまりに犯罪が多い世の中だ。暗い世の中だ。
何もかもがいやんなっちまった。放り投げたい。投げ飛ばしたい。
仕事の帰り道。政治家のポスターを見ると殴りたくなる。政治家があまりににこやかで。オレがあまりに低所得で。殴りたくなる。
安倍政権は結局大企業の社員にだけ優しい。オレたち中小の非正規には厳しい。ポスターを殴りたくなる。殴って蹴飛ばしたくなる。
しかし、社会人だから我慢。我慢するしかない。ひたすら我慢我慢我慢。
ゆえに陰鬱になる。
しゃらくせえ。
希望のパワーを爆発させろ。夢のパワーを回転させろ。陰鬱をぶっ飛ばせ。陰鬱をぶっ潰せ。
「君。そんに陰鬱なら、小説を読めよ書けよ」
「そうだな。スカッとするかもな」
日が昇り、日が沈む。
すべては繰り返し。
明日は晴れかな。雨かな。
いずれにせよ、進め。
進め。回転させろ。進め。
カウンセリングの予約をとろう。
「小説っていいよな」
「たまにムカつくけどな」
「それも含めて、小説はいいぜ」
「まあな」
陰鬱が加速する。
けど、生きる。理由なんてない。魂が叫んでる。頭はシネと言ってるが、魂はイキロと叫んでる。