元SPとキール・ロワイヤルの戦闘から2週間が過ぎた
ムカイ「ここか…」
とある人里離れた小高い丘に立つ家の前にムカイは立っていた
「ピンポーン」
玄関ドアを開けて、出迎えてくれたのは元SPのキム・ドラゴンだった
キム「どうぞ中へ」
中へ通され、リビングに行くとストロワヤ、ケンジ、リーシェンがいた
キム「ロワールを連れて来るので座ってお待ちください」
ムカイがソファーに座ると、ストロワヤがお茶を出し、ケンジがケーキを出す。その様子を不機嫌な顔しながらリーシェンが見つめる
キム「失礼します」
ドアが開き、ムカイが視線を向けるとそこには車椅子に乗ったロワールがキムに押されながら部屋に入ってきた
ロワール「わざわざ遠い所まで来て頂いてすいません…」
ムカイ「何があったか説明してくれるか?」
ロワールは小さく頷く
ロワール「我々はあの日、皆さんと別れてから町外れの宿に移動中、ARCの刺客に襲われました。一回目は皆さんが何とかして下さいましたが、次に現れたのはARCのトップであるキール・ロワイヤルだったんです」
拳を強く握り締めるリーシェン
ロワール「私はケンジ君と安全な所へ移動していたんですが、戻ってみたら皆さんキール・ロワイヤルに倒され、ケンジ君も倒されてしまい、私は戦闘能力がないのでその場から逃げる事と皆さんを助ける事に専念しました」
ムカイ「よくキール・ロワイヤルから逃げる事が出来たな…」
ロワール「それは私の能力カードマスターのお陰です」
ロワールの右手カードの束が現れる
ロワール「これは私の能力で作った物ではありません。これは実際に子供達に人気の対戦型カードゲームで、私の能力はそのカードゲームにある魔法カードを現実に使える能力です」
キム「私達は主の能力のお陰で助かり、その場から逃げる事が出来ました…ですが主の能力は使う魔法カードにそれぞれリスクがあるのです」
ニコッと笑うロワールだが周りは暗く、厳しい表情をする
ロワール「実際に使った魔法カードは、皆さんを完全回復させた「神の光」そしてその場から脱出した「怪盗の逃走路」これを使った事により私は下半身不随と左目の視力を失いました」
しばらく沈黙が続き、ロワールが話を続ける
ロワール「申し訳ないのですが我々が協力出来るのはここまでのようです。本当に申し訳ありません」
深々と頭を下げ、謝罪するロワールを見て周りも頭を下げる
ムカイ「…わかった」
そして家を出て、しばらく歩いているとリーシェンが追いかけてきた
ムカイ「…何だ?」
ムカイにメモを渡す
リーシェン「ARCのAIチップを渡した人物の居場所だ…奴らなら協力してくれるかもしれない」
ムカイ(奴ら?)
リーシェン「ロワールはオレ達が絶対に守る!だからお前らもこの世界を守ってくれ!」
フッと笑い貰ったメモを握り締める
ムカイ「俺はただの復讐者だ。世界がどうなろうが関係ない」