愛莉は病院からやっと外出許可をもらった
ちょっとした人混みだがマスクをしてならと許可がおりた頃なんと公開録画が当たった!
しかも6人でのスタートの記念番組だった
部屋にこもりハガキをみる
『うわーやっと当たった』『すげぇかかったな』
『半年以上ですよ。会えますよ、しかも新曲歌うってお母さんの雑誌に書いてありました。』
『…週刊アラフィーか。ろくな雑誌じゃねぇよな。』『でもカラーページにどんって載ってますよ。ほら愛内さんに…北上さん、田丸さんに…』
『あとは?』
『あとは…その日までに勉強します』
『なんかドキドキするよな』
『もとドキドキさんですから。でも今の名前のほうがいいですよ。なんか脱アイドルっぽくて』
『事務所路線かえざる得なかったからな。あいつ歌うのできるのかな』
『愛内さんこの前歌ってたじゃないですか』
『あんなの歌じゃねぇよ。ガキでもできる。心がこもってない。感動したか?ただ「愛内くんうまい☆」じゃダメなんだよ』
『…厳しいんですね。小河さんは』
『…悠人でいいよ』
『いえ、年上ですから呼び捨てにはできません』
『はいはい。お好きにどうぞ』
その夜、愛莉は爆睡していたが、悠人はぼんやりと起きていた
「あいつ大丈夫かなぁ」
『たくさん変な夢みましたよ。あいつ大丈夫かなぁ…声かけたいなって』
『まぁね。でもかなわない夢だよな。お前は俺の心臓あるから見えるわけで、あいつには見えないと思うし、しかもどこにいるかわからないしな』
『諦めちゃダメですよ!死んでるんですから幽霊で枕元にたつとか』
『それは頑張ったよ。頑張ったけどなんか成仏しちゃったみたいでNG』
『…成仏しちゃったんですね』
『自分の夢かなったから死んだら誰かの命になるって夢』
『なんか手はないんですか?』
『知らん!ファンレターは読まれるかわからん』
『かなり前に書きましたよね
『あいつ1日コンテナ三台くらいくるんだよ』
『…難しいですね』
部屋から聞こえてくる独り言
その頃愛内はファンレターやボーイズのホームページの書き込みを家で読んでいた
悠人のファンからの心ない言葉がたくさんきていた
それをきちんと返信する
手紙にはきちんと手紙で返す愛内
『ん?』
見覚えのある一枚の普通の白い封筒の文字
目を疑う
『…悠人?』
愛内は手紙をみる