ドナー(仮題名)4‐1

りょうな 2014-04-14投稿
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「はじめまして。私は信じてもらえないと思いますが、小河さんの心臓をいただいて生きることができた者です。
私は心臓を移植しなければ二十歳まで生きられないと宣告されていました。
…(中略)…りんも人に感動をあたえるように歌って下さい。
小河さんは私の中に生きています。
二十歳の女子より」
封筒には住所も何も書いていなかった
『…悠人。死んでるはずなのに…』
悠人が棺に横たわる姿、冷たくなっている姿を思い出す
『生きているか…』
愛内はボソッとつぶやく

数日後
『お母さん行ってくるね』『お母さんも行こうか?2人まで大丈夫でしょ?』
『大丈夫!着いたときと帰るときは連絡するから。たまには1人で行動したいの』
久実子は微笑んで送った

『ベイシティラジオは…ここかぁ!でっかいな』
『すげぇ!FMってこんななんだな』
まわりにいた女の子たちが不思議そうな顔をしてみていた
そりゃそうだ…全部独り言になっているんだから
『静かにしましょうね』
『かしこまりました(笑)』
ハガキをみせると空いている席に座った
席からは円形のブースがよく見えた
『いい席ですね。三時間待ったかいがありました。足ガクガクですけど』
『筋トレしような』
『はい。…』
ファンがメンバーの名前を呼ぶ
『椅子に声が振動する。すごい人気!ほとんど愛内さんですよ。うわぁ顔小さい(笑)』
『あいつむちゃくちゃ小顔だからな。北上もだけど』『田丸さんって実物のほうがかっこいいですね。』
『生でみないとわからないかっこよさだからな』
『えっと、千葉さん、二ノ宮さん、宮ノ前さん、田丸さん、北上さんですよね』『よくできました』
『北上さんと千葉さんは六歳離れてるんですよね?』『そう。北上…きたって呼んでるんだけど、キタは童顔だからわからないかもな。あいつ今度29だからな』『童顔ですね』

愛内が席につくと静かになる会場

色々な無難な質問がパーソナリティーがメンバーに投げ掛ける
愛想笑いをするだけの愛内だったが
『すみません、あの会場のみなさんに謝罪したいのですが』
といきなり言った
マネージャーはバツをするがメンバーは無視してとめない
『えっと…一旦CMはさみます』
あわてるパーソナリティー。CMをいれた
席をたつ愛内は、スタッフの制止を無視してブースの外にでた

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