空を飛ぶ。どこまでも飛ぶ。オレはヘリコプターを運転している。
といってもまだローンを支払えていない。オレはアルバイトである。アルバイトは低賃金なのである。早くプロ作家になりたいなあと思う。
家の屋上にヘリコプターをとめた。
書斎に入り、小説を書き始める。
梨花ちゃんから電話がある。
「先生。因数分解がわかんないよ〜」
オレは丁寧に説明する。正直、家でまでアルバイトの続きをしたくないが、生徒かわいさについしてしまう。やれやれ。
「ああなるほどわかった。ありがとう先生」
「まあ地道にやりゃあ、できるってことよ」
「先生お礼に○○してあげようか。五万で」
「お断り!」
「先生のけちい。梨花ほしいハンドバッグがあるのにい」
アルバイトが五万も支払ったら生活してけない。
しばらく書き進めたが、なかなか上手くいかない。
気分転換にヘリコプターに乗った。空をどんどん飛んでいく。屋根なんかない。どこまでも空。
ヘリコプターを買ってよかったなあ。いろいろやなことが忘れられる。気分爽快である!