ティッシュをくばるお姉さんはその手を引っ込め、私のすぐ後ろに居た女の人に差し出した
道端に落ちてた広告だけ抜き取られ捨てられた紙には「これを配られたあなたは面接合格!高時給のキャバクラガールに!」
私は振り向きそのバイトの女を睨み付けたが
目があったので慌てて進行方向に顔を戻した
その瞬間人にぶつかる
高校生くらいの男で数人横にならんで歩いていた
「あっ、すみませ「うわっ」
高校生は小さく声を出しなにも言わず迷惑そうな顔をして私から離れた
「みたか?あの顔」「お前よかったじゃんwwあんな美人とぶつかれて」「ふざけんなよ。気持ち悪い」
その光景をみていた別の二人組の女がクスクスと笑い「やば」「顔どうしたww」と私を目で追う
家に帰り鏡を見る
腫れたように細い目、つぶれて大きな鼻、ガタガタな歯並び、しゃくれあごでエラの張った骨格、治らないニキビ、 中年おばさんのような体…
17年間この顔で生きてきた
酷いことは散々言われ
道行く人にもキモいと吐かれたり、写真を勝手に撮られたり、指をさされ笑われた
私の顔の異常さに気付いた人々は二度見なんて当たり前
ジロジロみてきたり振り向いたり、後をつく者までいる
私の家を知って嫌がらせをしたいのだろうか
そこまでの労力を使って私を笑いたいのだろうか
鏡に写った自分をひたすら睨む
どうしてこんな異端者に生まれてきてしまったのだろう
私も普通の女の子のようにオシャレをして
彼氏を作り、普通に生きたかった
普通でないことをいつも悔やむ
今日笑ったあいつらを脳内で殺す
日課を終えようやく眠りについた