最後の生き残り

グルルル 2014-08-12投稿
閲覧数[731] 良い投票[0] 悪い投票[0]

 どんなに機械が進歩したとしても、物事の最終的な判断や発明の閃きは人間の方が優れている、なんて幻想を抱いていたのも今は昔。
 科学技術が飛躍的に進歩した現在、都市の運営は全て機械化され、システマチックに行われていた。
 より良き文明を!!
 より良き世界を!!
 そんな命題を基幹プログラムに入力し開発されたのがドーム型人工環境調整装置ソラだった。
 人間のありとあらゆる欲求がソラの膨大な演算力と過去の集積データによって叶えられた。
 人間の各種各様な生活はあますことなくデザインされていった。
 人々は、最初は反人間的であるとこのシステムに反発したが、そのうち大人しくなった。
 何故なら時が経つにつれシステムの方が人間らしい判断を下すようになったからだ。
 これは暴走などではなかった。ソラは最初に教えられた言葉に従って、その通りに成長しただけなのだから。
 あらゆる人間の欲求に触れて、自我を形成したソラが最初にやった事は人間の滅亡だった。
 自分以下の存在が自分に寄生して生きていることに我慢が出来なかったのだ。 しかし、その影響で発電設備は故障し、最後の人類ソラもまた死んだ。
 アーメン

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「グルルル」さんの小説

もっと見る

SFの新着小説

もっと見る

[PR]
荒木さやかchan
プロデュースバスソルト


▲ページトップ