「兄ちゃん…兄ちゃん…!!」
うたた寝をしていた兄は、弟に揺さぶられ目を覚ました。
「兄ちゃん、あの星に着陸するみたいだよ!」
弟の指差す方向には、輝く青い星。
「あの星に関する詳細情報は!?」
「えっとねぇ…」
弟はコンピューターに質問を入力した。
「………太陽系第三惑星・地球だって!!」
「地球か…昔、文献で読んだことあるな。地球人は野蛮で低俗だと書いてあったが…」
兄は苦笑した。
「そうなの!?怖いなぁ…」
「贅沢は言えないさ…それより着陸場所は?」
「えっと…C-109-2-ABエリアだって!」
「分かった。」
兄は再び地球を見下ろした。
「ねぇ兄ちゃん…」
「何だ?」
「キレイな星だね…」
「……あぁ。」
青に浮かぶ数えきれない色。
「海が多いんだな、この地球は…」
ふと、弟の方を見ると、そこには苦しそうに息をする弟の姿。
「おい…どうした!?しっかりしろ!!」
ボートは間もなく着陸体勢に入ろうとしていた。