ピーターさんとティンカさん

グルルル 2014-08-21投稿
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「あー、もうやだ」

「あら、ピーターさん。どうしたんですか。ずいぶんお疲れのご様子ですが」

「あ、ティンカさん。……ちょうど良かった。聞いてくださいよ」

「いやです」

「ええっ、そんなぁ。先輩として後輩の不平不満を受け止めてくださいよぉ」

「先輩の立場にいる人がみんな、君が望むような機能を持っているとは限りません。それは幻想です」

「むしろ余計な機能しか持ってないのが大半ですけど……。いや、夢を叶えるのが僕達の仕事じゃないですか」

「そうですね」

「だからですね、舞台裏ぐらい、クライアントの不条理で非現実的なオファーに対する愚痴を言い合っても良くないですか?」

「チリンチリン」

「何ですかそれ」

「最近はこうした部分もメイキング映像と称して流通しますから。ほら」

「あっ、ほんとだ。カメラがある」

「そう。私たちは常に監視され、命令される立場にあるのです。優しく素敵な存在でなくてはならない。そして、その権利義務は私たちが忘れ去られるまで続いていく」

「じゃあ、僕達の利益って何ですかね?」

「多分、一時的にでも奇跡や永遠の象徴になれること、でしょうか」



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