翔は迷っていた
七年前に別れた桃子の街に衝動的に来たのはいいが
長い移動時間を費やしてみて
いざ桃子の住んでいる街に着くと会いたい気持ちに躊躇が出てきた
会ったから
どうなるものではない
そもそも桃子がこの街にいると知ったのは
翔と桃子の共通の知人の元に結婚の知らせと新居が記したハガキが届いたからだ
共通の知人である眞子は
ハガキを見せてくれて
俺の気持ちを見透かしたように言った
「会いたいなら会いに行ったら」
その一言を聞いて
何も考えず即約6時間の移動時間を経て
桃子の住んでいる街に来た
続く