「そ、それ・・・。何だよ。弓はさっき俺が粉砕したはずなのに・・・」
キリヤは李那が握っている弓を見て驚いているようだ。
「!」
キリヤは、ハッとして上を向く。キリヤの頭上には弓を構えた李那の姿があった。そして、李那は弓矢をキリヤ目掛けて放った。
「くっ・・・!」
キリヤは自分の目の前に砂の壁を作った。弓矢は壁にぶつかった。
ヒュン・・・
「!」
李那は、一瞬でキリヤの背後へ回り弓矢を放った。その弓矢はキリヤの右肩をかすった。
「くそっ!」
キリヤは、砂を李那の方へ向かわせる。だが、李那はすばやく移動してまた弓を構えて弓矢を放った。それは、キリヤの左足に当たった。
「御前。只じゃ帰さねぇぞ・・・」
すると、キリヤの腰まで砂が登ってきた。そして、キリヤは砂に持ち上げられて李那を見下ろした。
「これでどぅだ!!」
右手を前に突き出す。すると、下から一気に砂が上に上がってきて空中に舞う。そして、その砂が一箇所に集まって刀の刃のように尖ったものになった。そては、李那目掛けて尖った方を下に落ちてくる。
「っ・・・」
李那は、力一杯弓矢を引く。そのせいで手からは血が滴り落ちていた。すると、弓矢が金色に光りだしたのだ。
ヒュンッ・・・
李那は弓矢を放った。その弓矢は砂の刃に向かっていった。そして、弓矢と砂の刃はぶつかった。
サァァァッ・・・
空から砂が降ってくる。砂の刃は弓矢によって壊されたのだ。
「うわぁぁぁぁっ!!!」
弓矢は、勢いよくキリヤの方に飛んでくる。
やがて、空からキリヤが落ちてきた。そのまま気を失った。さっきの弓矢はキリヤの頬をかすっただけだった。
「やった・・・っ」
そぅ言った瞬間、李那はその場に倒れた。
「啓様・・・。頑張ってね・・・」
李那は、ブレスレットのボタンを押した。
李那VSキリヤ
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