「ど…どうして!?弘君。家まで来るなんて。旦那が帰ってきたらどうするのよ!?」目を丸くしている陽子にお構いなく、弘は家に入ってきた。
「お邪魔かな〜?お邪魔だろうけど、お邪魔しちゃいま〜す☆」
「ちょっと…何考えてんの、弘!!」思わず昔の呼び方になってしまった陽子だった。
(今日、弘の好物ばかり作っていたってバレたら…。)
そんな心配は、必ず当たるものである。
「陽子。なんで俺の好物を…。よく憶えていたな。俺、何か嬉しいよ。」
「でも、これは旦那に肉じゃが頼まれて、あとの料理思いつかなkったから、それで…。」
陽子は、なんとかごまかそうとしたが、弘には通じなかった。
「はいはい。わかりました☆」そう言って、陽子は、弘に口づけされてしまった。」
「あの、…少しくらいなら食べてもいいけど?」
一瞬の恍惚のあと、照れ臭い表情で陽子は誘った。
「いや、…いいよ。旦那に悪いだろ?それに、感激したから、お腹いっぱいだよ☆陽子の愛情でさ!」
「もう、やだな!弘ったら☆ふふ。」
そこには、昔の写真に写っている無邪気な陽子の姿があった。
[続く]