━━「今月、まだ来てないんだぁ」「マジ?ヤバくない?!」━━
本気でヤバイと思うなら、誰も居ない所で話したら?恥ずかしいとは、思わないのかな。避妊もできないなんて…恥ずかしい。
「ねぇ。わたしが妊娠しちゃったら…どうする?」「したの?」「違うけど…もしできたら?」「そりゃ、ヤルことヤッてるもん…責任取るよ。」「そうじゃなくて…産んで欲しいとは思わない?」「どうだろうな。…でも若い親父も悪くはないと思うよ。」
━━神様は何を思って、人と人を恋に迷わすんだろ?なんてことを考える。きっと、嫌ってる両親が居なければわたしはコイツとは、出逢わなかった。神様は、何がしたいんだろ?わたしにコイツを愛させて、どうして欲しいんだろ?こんなに幸せでいいのかな…?
…でも…神様はやっぱり、わたしのことをちゃんと見ているんだと思い知らされた…。今までのバチが当たった…
生理が来ない…。わたしに限ってこんなこと…あるはずないって思ってた。
「生理来ない…」「え?いつから?」「3ヶ月…。」「妊娠検査薬買って来るから、やるぞ。」
━━真剣過ぎる顔が怖い…もし、妊娠してたら?幸せ過ぎた、わたしに神様が与えた罰。
家に帰ってから、すべての可能性を考えた。
もし、本当に妊娠していたら…。アイツはどんな顔をするんだろ?周りの人間は?…そして何より親の顔が想像できなかった。
もし、妊娠してなかったら…わたしは本当に心の底から喜べるのかな…?アイツの安心した顔を見てどんな気持ちになるだろ?
眠れなかった…。どんな可能性を考えても、もしかしたら、ココにもう一つの命があるかもしれないと考えたら、目を閉じることなんてできなかった…。
少しでもお腹が冷えない様にと、冷たい手でお腹を守ることしかできなかった。