二人とも紫陽花の花が大好きだった。太陽のような紫陽花が大好きだったんだ。
翔太とはもう3年も付き合ってる。でも半分以上病院と一緒だった。
翔太の優しい横顔見て、私は一度病室を出た。廊下はひんやりとしてて、静かで、雨の音がいやに大きく感じた。
あの日も、雨が降っていた。あの、翔太が最後に私に「大好き」だといってくれたひも・・・。雨は私に翔太をくれた。翔太のとの思い出をくれた。 翔太がくれた赤い傘。いつも私の玄関で輝いている。 一度も使わないまま、きれいに・・・。
看護婦さんが私のところに来た。
「梓ちゃん。翔太君が・・・。」