そして
僕は教子と別れた
八年後に教子の死と愛娘の存在を知ることになる
許すということを知らなかった
愛娘(慶子)を生んだ時の教子の孤独
死ぬ間際の教子の孤独を思うと…今でも涙が流れそうになる
教子の遺言の言葉を
教子の父親と慶子から聞いた
父親には自分が死んだら慶子と僕を会わせて欲しい
けど慶子は成瀬の姓でお父さんお母さんで育てて
慶子には
貴女の父親は素直で熱い人だけど私が死んでもおじいちゃんおばあちゃんと暮らすのよ
と釘をさしたそうだ
で父親も慶子も
教子から僕への言葉は聞いてないらしい
教子は口癖のようにいっていた
私の彼氏やから日本一で当たり前や
それを確認したくて地元で最も狂暴な池田さんと対峙させたかった気持ちもわかる
しかし
全ては過ぎ去った物語
教子の両親は亡くなり
慶子は結婚し
僕は孫とも仲良しだ
由美子ちゃんの事件といい(たまらんく哀しい参照)
僕は重い思い出をまとってしまったが
それが自分の原動力だ
今の奥さんとは
23の時に結婚した
結婚前に彼女はバブル期の歌舞伎町で20ながら結構な地位にいた
結婚の時の約束は二つ
お互いの過去は一切聞かない
子供は作らない
僕は慶子がグレた時に
パイプカットの手術を受けた
生涯
僕の血をひいたのは慶子だけだ
愛の終わり
その人がいてくれるだけでいい…
全ての後悔を
自分の未熟さゆえと受け止め
これからの人生を歩みたいと思う