頭がまだクラクラするが何とか立ち上がると解けた奥義をまた発動する
ユウ(奴の固さも以上だ…ダメージが全然通らない!どうすれば!)
トカイ・キュベが左の拳に力を込めながら歩いてくる
キュベ「さて…耐えられるかな?」
腕を前で合わせ、ガードを固める
ユウ(来い!)
キュベ「魔拳!」
左の拳がとてつもなく大きく見え、凄いプレッシャーと共に襲い掛かる
ユウ「あああぁぁぁ!!」
触れた瞬間、地面をえぐって後ろに下がりながら耐える
「ゴキ!ゴキ!ボキッ!」
骨の軋む音、そして折れる音が響く
キュベ「たった一発でこれですか…」
ユウ「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」
力が入らずぶらーんとなった両腕から血が流れ、指も何本か折れていた
キュベ「君には少し期待したんだがね。残念だがもう終わりだ」
汗一つかいてないトカイ・キュベに対し、汗だくなユウはある決断を下した
ユウ(もう両腕がボロボロで使い物にならない…これじゃ戦えない…)
するとボロボロの両腕を背中で組み、腰を落とす
ユウ「神体配授!」
恐らく最後の奥義発動に首を傾げる
キュベ「どういう事かな?」
ユウ「もう攻撃は出来ないなら防御しかない!」
クスッと笑うトカイ・キュベ
キュベ「防御しかない?3割ぐらいの力の左魔拳でボロボロな君が何を言っているのかね?」
腹部に力を込め、集中する
ユウ「あなたには勝てない…でも負けない!」
キュベ「言っている事がめちゃくちゃだ。でもいいでしょう…守れるものなら守ってみるがいい…この本気の魔拳を!」
両手をガッチリ合わせ、力を込める
キュベ「君のお腹に穴が開いても文句はなしだよ?」
本気のパワーに地面が揺れる。だがユウは目を閉じて集中する
キュベ「真・魔拳…」
鋭い槍の如く一直線にユウへ突っ込む。
ユウ「すーっ…ん!」
大きく息を吸い、息を止めて目を見開く
ユウ(神硬・極!!!)
最強の体術である神躯、その中で防御力を最大限に高める技が神硬。それをユウは全ての力を腹に捧げてトカイ・キュベの攻撃を受ける
ユウ「んんんんんんんんんんんんんん!!!!!」
触れた瞬間腹部がかなり凹まされたが、懸命に耐える
キュベ「まだまだこれからだよ!!!」
凄まじい力が更に強くなり、地面が割れて二人の周りがじわじわと沈む
ユウ「あぁああぁあぁぁぁぁぁ!!!!」
食い縛る口、鼻、そして目から血が流れ、ユウの肉体が徐々に限界へと向かう
キュベ「そろそろ限界かな?さぁ…フィニッシュと行こうか!!!」
ユウ「!!!!!!!!」
トカイ・キュベの力がユウの肉体を通り、ユウの背後の地面や建物が吹き飛ぶ
ユウ「あ……あぁ………師匠…タケ……」
仰向けに倒れた
キュベ「…」