from 中島梨帆
件名 :Re
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うん、よろしく☆
ゴメン、今日疲れたからもう寝ます(>_<)
また今度ね、おやすみなさいm(_ _)m
(……え??)
飾り気のない、シンプルな用件だけのメール。
彼女らしい…と言えば彼女らしいが。
何というか…さすがに切ない。
もうちょっとなんか話したかった。
俺はちょっとがっかりしながら返信をした。
(またね、おやすみ、と。
……はぁ…。)
これから先どう頑張ったらいいんだろう……。
ちょっと悩みながら布団に入った。
いつの間にか寝てた。
翌日。
バスケ部の朝練が終わって、俺はぽけーっとしながら教室に向かっていた。
(………あれ??中島??)
俺と反対方向に歩いてきているのは中島だった。
昨日のこともあって、なんだか緊張してしまった。
「……あ。」
中島がこっちに気付く。
「えーと…松本…健太くんだっけ??」
「えっ!!??あっ、うん!!」
ヤバイ…。
話しかけて来るとは思わなかった。
こう意識してしまうと、友達と違って上手く話せないのだ。
だけど…俺のことがわかってるってことが、少し嬉しかった。
「昨日寝ちゃってごめんね。
私、夜起きてられないんだ」
「い…いや、全然!!」
(あ〜もう…上手く話せない…。)
俺は自分の反応に腹が立った。
もうちょっと気の利いた事いえないのかよ…俺。
「……あ、そろそろ行かなきゃ」
気がついたらもう8:38だった。
8:40には朝礼が始まってしまう。
「あ…ごめん!!」
「いいよいいよ。じゃまたね」
にこっ
そう言って笑って手を振る姿に、俺はまたドキッとしてしまった。
いつもの、遠くで見ていた、あの自然な笑顔。
彼女に今まで以上に惹かれて行くのを感じた。